災害担当のつぶやき
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【災害担当のつぶやき】災害時にトイレを軽視してはいけないのはなぜ?その④
こんにちは。ゴールデンウイークが過ぎ、少しずつ梅雨の入り口が近づいて来ています。今年は大雨の被害がないといいな…と思いつつ、本日は雨模様の東京です。新型コロナウイルスの感染予防にも取り組みながら大雨など気象情報にも気を付けていきましょう。さてトイレの重要性コラム。今回は災害時のトイレ事情について私たちがよく耳にすることについてQ&A式に書いてみます。 災害時のトイレ、こんな風に考えてませんか? Q:お風呂の残り湯やペットボトルのお水をバケツに汲んでトイレを流せばいいのでは?A:その方法でもトイレの処理は出来ます。ただしこれが出来るのには下水処理場または下水道管が損傷していないことが最重要な条件です。流した下水がその先でもきちんと流れていくか、という確認が取れるまではトイレに水を流しては危険です。流れがどこかで止まってしまうと、行き場を失った汚水はあふれ出てしまいます。道路であふれてしまうのならまだしも(充分嫌ですが…)、自宅の庭先であふれてしまったり、自宅のトイレから逆流してしまう可能性もあります。更に集合住宅の場合は、壁の中を伝っている下水道管が破損していると階下の部屋の壁から汚水が染み出てしまうこともあり得るのです。(その場合は家財保険等が使えず、原因となった人が自費で修理することになってしまうのだとか…)なので、下水道の安全が確認できるまではこの方法はすぐには使えないのです。また、上手にバケツで流せなければ、トイレ個室内が水浸しになってしまう可能性もあります。トイレの水が自分に跳ね返ってしまうことも考えられます。 Q:庭や裏山に穴を掘って埋めればいいのでは?A:自然が近い土地であればその方法もあるかもしれませんね。ただ、災害はどの時期に見舞われるかわかりません。特に寒さの中で屋外での排泄は困難です。雨や雪が降っている場合も同様です。また、周りにテントなどの囲いがあればいいかもしれないですが、誰にどう見られるかわからない場所で排泄できるでしょうか。特に女性は体の構造上他人から見えてしまう部分が多く、性犯罪のリスクも跳ね上がってしまいます。介護用ポータブルトイレの様にバケツに排泄をして、そのバケツを持っていって埋める方法もあるかもしれませんが、排泄物の入ったバケツを運ぶのも臭いや衛生面の問題などがあります。 Q:コンビニやスーパーなど近隣店舗のトイレを借りれば?A:1つめの回答と似通いますが、下水道が広域で破損してしまうと近隣のトイレはすべて同様の状態になってしまいます。つまり、徒歩で向かえる範囲の水洗トイレは使えないということです。もしかしたら自社で汚水の貯留槽を備えているところもあるかもしれませんが、その場合は汲み取りが必要になるため、回収車が来られなければ使用回数に限度があります。体調が悪くなったりして急にトイレに行きたくなったときは徒歩で外出することが難しい場合もありますね。 どうでしょうか。案外、トイレ問題は『何とかなる!』では片づけられないことが多いのです。『何とかなる!』が『何とかならなかった!』になる前に、日頃から想像を巡らせることも必要かもしれないですね。 その⑤に続きます。 ↓お絵描き動画作りました。こちらも是非ご覧下さい! https://youtu.be/8cfmN77vWdc
2021.05.13
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【災害担当のつぶやき】災害時にトイレを軽視してはいけないのはなぜ?その③
東京は桜が満開、卒業シーズンも終わり新生活の時期を迎えようとしています。新型コロナウイルスとの闘いも1年を越えましたが…どんな状況であっても明日はやってきます。新しい環境で一歩を踏み出す皆さん、頑張ってくださいね!※もちろん引き続きの方も頑張りましょう!私も頑張ります! さて前回は災害時に使われるトイレの種類についておさらいしました。今回はいよいよ(ようやく?)『トイレを軽視することの怖さ』についてお話します。 使いたいトイレ、使いたくないトイレ 日頃の外出先で(個室の)トイレに行ったとき、こんな経験ありませんか。『あれ、行列してるのにあの個室空いてる…?』(行ってみる)→『うわ、汚れてる!使いたくない!』 そこまでの経験でなくても、トイレが汚れていると嫌な気持ちになりがちです。逆を言えば、トイレが綺麗だと好印象にも繋がるのです。ある商業施設ではトイレ美化に力を入れ、リピーターが増えたというデータもあると耳にしました。そのくらいトイレというのは現代に生きる私たちの意識の中で『綺麗な場所であってほしい』という願望があるようです。 しかしながら…災害時にはトイレ事情が悪化しがちです。水が出なくなったり、下水道管が損傷したり、様々な理由で普段のトイレが使えなくなります。すると前回お話した災害用トイレが使用されるわけですが…使い慣れていなかったり臭いの問題だったり、トイレの環境維持が上手くできなかったりと様々な問題によってトイレは汚れていってしまいます。ということは…冒頭の話と同じような状況になってしまうんですね。また、お年寄りや小さい子供は屋外にある和式トイレや携帯・簡易トイレは使いづらいという問題もあります。 行きたくないトイレが招くもの 浴衣や着物、脱ぎ着しづらい洋服を着たときに『トイレに行きたくないから水分を控えた』経験のある方は少なくないと思います。トイレが汚れて行きたくない環境になると、これと全く同じことを考えます。前者の例では長くても半日くらい頑張って我慢すれば解放されますので大事には至ることは少ないですが、後者の場合はそうはいきません。避難生活は1~2日で終わりません。長ければ1か月以上に及ぶ場合もあります。水分や食事を控えつづけると、人間の体はどうなるでしょうか。 まずは体力や免疫力が落ちてしまいますね。感染症にかかりやすくなったりします。次に脱水。近年は特に暑くなる夏が多く、熱中症の危険性も高まってしまいますね。更にエコノミークラス症候群。血管内で血栓ができてしまう病気ですが、水分不足はこの要因のひとつです。避難所で起こりがちな3つを挙げましたが、これはどれも命に関わる危険性がある重大な事象なのです。避難生活を送る中で亡くなってしまうことを『災害関連死』と呼びます。この災害が地震であった場合は『震災関連死』と呼ばれることもあるようです。もちろん他にも原因はありますが、トイレに行かないことが死に繋がるだなんて…考えたことがありますか? その④に続きます。 ↓お絵描き動画作りました。こちらも是非ご覧下さい! https://www.youtube.com/watch?v=8cfmN77vWdc
2021.03.29
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【災害担当のつぶやき】災害時にトイレを軽視してはいけないのはなぜ?その②
こんにちは。初めに、福島県沖にて2/13に発生した地震にて被災された皆様にお見舞い申し上げます。震源から離れた関東でも停電が発生したりと、いざというときの備えや行動について改めて考えた方もいるかと思います。いついかなる事態に見舞われても安心して命を守れるよう、日頃から考えて行動していかなければならないと改めて感じました。さて、前回はじめてのコラムではトイレがとっても大事だと書きました。今回は災害時に使われるトイレはどんなものがあるのか、その種類について簡単にご紹介しようと思います。 A:屋外に設置されるタイプ ・仮設トイレ皆さんが一般的に想像するものはこれではないでしょうか。工事現場やお祭り会場などに設置されるボックスタイプのものです。今は洋式タイプや水洗式の製品も登場しています。また着替えをしたり身体に障害をお持ちの方も使いやすいように室内が広いタイプの製品もあります。 ・マンホールトイレお住いの自治体でこれの整備が進んでるらしい!という方はご存知かもしれません。マンホールに直結させ、排泄物をそのまま下水道に流すトイレです。汲み取りが必要ないため管理はしやすいです。ただしどのマンホールでも使えるというわけではなく、マンホール蓋や下水道管などは専用の構造が必要です。 B:屋内に設置されるタイプ ・携帯トイレ袋・凝固剤を1セットとするものです。小さなお子さんがいるご家庭は長時間ドライブに備えて用意したこともあるかもしれませんね。既存の便器に袋をかけるタイプ、直接排泄器に押し当てるタイプなどがあります。凝固剤は袋の中にセット済み、もしくは自分で入れて使用します。使用後は袋の口を手で結ぶなどして処理をします。 ・簡易トイレ携帯トイレと同様に袋と凝固剤で処理をしますが、こちらは便座がセットになっているため既存の便器がない場所にも設置できます。テントなど雨風をしっかり凌げるものがあれば屋外でも使えます。弊社の自動ラップ式トイレ『ラップポン・トレッカー』はこのカテゴリに属しています。 大まかには災害時のトイレはこのように分類されます。それぞれ特徴があるためどれが特別優れている!と言い難いのですが、一般のご家庭でトイレを備えるとなると…現実的にはBグループを選択することになるのかな、と思います。 その③へ続きます。 ↓お絵描き動画作りました。こちらも是非ご覧下さい! https://www.youtube.com/watch?v=8cfmN77vWdc
2021.02.20
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【災害担当のつぶやき】災害時にトイレを軽視してはいけないのはなぜ?その①
災害ページを担当致します営業部のKです。宜しくお願い致します。弊社の製品『ラップポン・トレッカー』は災害現場で活躍できるトイレですので、防災用品と認識してくださっている方が多いです。防災用品。今はホームセンターに行けばたびたび特集コーナーが出来ていたりして、災害用トイレひとつとってみても種類も豊富にありますよね。しかし防災用トイレの備蓄!と一口に言っても、『何をどうすればよいのか分からない!!』という方は結構多いのではないかと思います。そんな時に寄り添える・考えるきっかけになるようなことを、実際の災害現場での出来事なども交えながら少しずつお伝え出来たら…と思い、不定期更新でつぶやきを書いてみることにしました。お時間あるときに読んでみていただけると嬉しいです! 手持ちの災害備蓄品を考えてみると… 皆さんはご自宅や職場にどのくらい災害時用の備蓄があるかご存知でしょうか?更にはどのようなものが備蓄されているのかもご存知でしょうか?ちょっと想像してみましょうか。 …お水、ラジオ、電池、懐中電灯、缶詰、レトルト食品、ろうそく、マッチ。 …絆創膏、タオル、下着、ラジオ…あと何があるかなぁ。思い浮かばないなぁ。ひとまず食べるものは何とかありそうですね。数時間で飢えてしまうことはなさそうです。明かりも確保できそうです。ラジオがあれば情報も入ります。タオルと下着があるなら清潔が保てます。大きなタオルなら毛布の代わりにも使えるかもしれません。この内容を揃えておけば数日くらいは過ごせそうです。あぁよかった!いえいえ、まだまだ。大事なものを忘れています。朝起きたら行きたくなるのは?ごはんをたべた数時間後に行きたくなるのは?夜寝る前に行くのは?体調を崩すと行く回数が多くなるのは?そうです。トイレです。えっ?トイレの備蓄?と思った方もいるのではないでしょうか。実はトイレは災害時の避難生活を大きく左右すると言っても過言ではない、とってもとっても大事なものなのです。災害が起きたとき、原因はさまざまですが断水は多くの場合発生します。すなわち私たちが毎日当たり前のように使う水洗トイレは使えなくなります。さてどうしましょうか?その②へ続きます。 ↓お絵描き動画作りました。こちらも是非ご覧下さい! https://www.youtube.com/watch?v=8cfmN77vWdc
2021.01.22